こんにちは!メグシィです!

カウンセリングルームメグシィと、発達支援ルームからあなたへ贈るブログです。

版を重ねる

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池田修三 木版画

〜センチメンタル・メルヘンの世界〜

先日、酒田市美術館で開催されている、秋田県象潟町(現、にかほ市象潟町)出身、木版画家・池田修三(1922~2004)さんの作品展を見に行ってきました。

子ども達の情緒あふれるものや、故郷や酒田の風景など、版画でここまで繊細に表現できるものだと驚きを感じるものばかりでした。

 

初期のモノクロ版画では、目の線の引き方を変えることで、一人一人の表情を変え、7版も8版も重ねた多色刷りの作品では微妙な色使いによる情緒あふれる表情を、また風景の作品での水の透明感など、一つの作品を完成させるのにどれだけのエネルギーを使ったんだろうと思ってしまいました。

 

会場で展示されていましたが、多色刷りでは、一つの色に一つの版。その版を重ねていくことで一つの作品に、そのプロセスも見てみたいとも思いました。

人の人生も、ある意味いろんな出来事の積み重ねかもしれません。その一つ一つの出来事をしっかりと受け止めていくことで、その人らしい生き方になるのではないかと思います。

 

もう今年も残り半月、時にはこれまでの人生での出来事を振り返り、その時どう受けとめ、どんな想いが生じ、どんな人生を送ってきたか、人生の棚卸をしてみてはいかがでしょうか。そして、「自分の人生は自分で創る」、これからの人生のビジョンを思い描き、新しい年を迎えていただきたいとも思います。

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子どもの「10歳の壁」とは何か?

 乗り越えるための発達心理学 渡辺 弥生著(光文社新書

 

「手遅れ」なんて大間違い、10歳はこんなに面白い!

壁ではなく、飛躍の時・・・・焦らされない、早々と後悔しない!

「伸びる子どもに」にするための、見守りのポイントを教えます。

                  (本書・帯の紹介文より)

 

早期教育が大切、9歳・10歳までに勉強しないと手遅れ、4年生でつまずくと後々が大変など、最近このような言葉を教育の現場や本などでよく耳にします。確かに、子供たちは3〜4年生と5〜6年生では、成長の度合い、学校の勉強の難しさ、友達同士の関係など大きく変わるなと実感するときが多いかとも思います。そして、親として、その変化にどう対応したらいいの?っと考えてしまうこともあるかもしれません。

 

そのような疑問に、この本では発達心理学の視点からわかりやすくひもとき、その対処法をソーシャルスキルトレーニングの手法を交えながらその指針を示してくれています。子供たちに関心を持って接し、秘めている魅力を再発見して、成長をしっかりと見守っていく、そのヒントを見出すきっかけに読まれてみてはいかがでしょうか。

 

 

今週の一冊

 

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レジリエンスを育てる本」

発達障害の子の立ち直り力

藤野 博、日戸 由刈監修(講談社

 

レジリエンスとは「心の回復力」「立ち直り力」のこと。ものごとが自分の思い通りにいかず、落ち込んだ時に機能します。また頑張ろうという意欲のもとになります。困難に直面しやすい発達障害の子供たちにとって必要な力です。

 

レジリエンス」という概念が、精神医学や心理学の分野で注目されています。この言葉は、立ち直る力、精神的回復力、弾力性などと訳されています。現代は立ち直りの力がこれまでになく求められている時代なのかもしれません。レジリエンスは、心の「強さ」というより、「しなやかさ」というべきもの。何があってもびくともしないタフさではなく、つらい経験をしてへこんだり、落ち込んだりしても、気持ちを立て直せることにポイントがあります。(本文、まえがきより~)

 

 私たちの日常は、うまくいったりいかなかったり、またストレスを感じながらの毎日かと思います。困難に直面した時、思うようにいかない時に乗り越える強さも大切ですが、さらっと交わす、真正面から受け止め過ぎないしなやかさも必要なのではないでしょうか。

 

この本は、社会の中で生き難さを感じ、落ち込んだり悩んだりしやすい発達障害の子供たちのために書かれたものですが、誰にでも思い当たるところがあるかもしれません。とてもわかりやすい内容なので一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

冬支度

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先週、旧風間家住宅「丙申堂」に行ってきました。明治29年丙申の年に建てられ、当時の商人としての営業と住まいの拠点としての趣を残したままの素晴らしい建物でした。特に、酒田地震を教訓とした耐震構造の梁の工夫、杉皮葺の小石を敷き詰めた屋根の構造は初めて見るものでした。

 

紅葉の素晴らしさは残念ながら終わっていて、庭内の樹木はすでに冬仕度。しかしながら藤沢作品の映画のロケに使われるだけあって、縁側に座って見る庭の景観は素晴らしく、降りて歩いてみても周囲の喧騒を感じず、当時にタイムスリップしたような想いに浸れました。

 

一番感心したのは、金融業を営んでいた商人だけあってか、お客様を迎える姿勢と働く人がその準備に動きやすいような作りになっていること。金庫室から居室、台所に至るまで、機能的に動けるように周到に準備されている構造に思えることでした。

 

みなさんは、冬の準備は済まされましたか。備えあれば憂いなしという言葉もあります。目の前のことも、これからの人生で起こりえることも、しっかりと準備していれば、その対応がしやすくなるかとも思います。年末を控え忙しい毎日かもしれませんが、時には将来を見据えた準備の時間を創ってみては如何でしょうか。

就労支援セミナー

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「地域生活支援セミナー IN庄内 はたらくを支える」

         〜働くことについてみんなで考えよう〜

障害を持った方々の就労をテーマにしたセミナーが、11日に庄内町の響ホールで行われました。福祉・行政・教育関係や当事者とご家族の方々が参加されていたように思います。

 

山形労働局の方の説明では、就職率は上がってきているようですが、法律で障碍者雇用が義務付けられたていても現実は厳しいようです。特に障害の区別でその他との障害とされる発達障害の方の就職率は、県内において就職者全体の2、1%にすぎません。

 

「全国就業支援ネットワーク」監事の方の基調講演でも、就労に伴う制度などが社会に浸透していないこと、ジョブコーチ制度などの具体的な施策が機能していないことなどが挙げられていました。実際に就職して働いているご本人と会社の担当者の方のお話もあったので、もっと多くの雇用する企業関係者の方に聞いて貰えたらとも思いました。

 

私達民間の支援機関としては、お一人お一人の個性に合った支援が必要とされている中で、就職とその定着に向けての支援、勤務される企業とご本人の橋渡しなど、きめ細やかな対応が必要だと改めて感じました。今後も、このようなセミナーで得た情報も参考に、来られる方々が社会の中でより良く生活していくお手伝いができるようなサポートを心がけていきたいと思います。

庄内論語

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致道館を訪れた時に、タイトルに惹かれて購入した小冊子「親子で楽しむ 庄内論語」。子供たちの行いや生活の指針に選び抜かれたものとあったので、これだとわかりやすいのではと思って読んでみました。

 

「致道館」の名前の由来も、論語の一節「君子学んで以て其の道を致す」からで、実際に教科書として使われていたとのこと。その教育理念は、「個性重視・個性伸長」「自学自修」「会業(グループでの学び)「心身の鍛錬」を重んじたものだったそうです。

 

これらの理念は、現代でも通じるものとも解説の中であり、私なりにも、個性を尊重し良いところを伸ばす、自分で学ぶ習慣を身に付け、共に学ぶことで学習意欲を上げることではないかと考えてみると、何かを学ぶ姿勢として、ほんとに大切なことだと思いました。

 

「温故知新」という一節もある論語、夏休みには子供たちの素読の体験会も行われているそうです。長年脈々と受け継がれ、現代でも多くの本でも紹介される先人の教えの数々、今を生きるヒントを見出す機会になるかもしれません。秋の夜長、時には読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。

水車

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先週の田麦俣は紅葉の真っ盛り。秋晴れの中、六十里越えのトレッキングや七つ滝の紅葉を見に来られた方々などが、日本の里山の原風景のような光景を楽しんでおられました。

 

私も、六十里越えのトレッキングコースを少しだけでしたが、ブナ林と七つ滝の紅葉を楽しんで歩き、多層民家を訪れてみました。写真は、近くにあった水車小屋。回ってみると裏側は公衆トイレと修復用の資材置場、景観を考えての建物で驚きがありました。

 

今は使われていない水車ですが、山からの水を受けて活躍している時を彷彿させるようなまだまだ現役と思える水車。力強さも感じました。水の流れがあって動きその機能を発揮する水車、私たちの人との関わりに通じるものがあるかもしれません。

 

日常生活の中で、自分で解決できることは多いかと思います。しかし、場合によっては、周囲の人の力を借りることが、効果的な問題解決に繋がるのではないかとも思います。「人の知恵を借りる、先人に学ぶ」一人で悩まないことが人生を少しでも楽に生きるヒントになるのではないでしょうか。