良き出逢いを
４月８日は、お釈迦様の誕生日を祝う花祭りの日です。そして庄内地方のほとんどの小学校で入学式が行われます。
３月１８日は、卒業式でした。２７日は、お世話になった先生方との別れの離任式でした。
３月、４月は、別れと出逢いの季節です。
私には、怖い人がたくさんいます。その一人が、祖父です。嘘偽りなく怖い人でした。
幼稚園の遠足に祖父が付き添ってくれました。（両親が教員だったので休みが取れなかったから）バスの中でみんなが順番に歌うことになりました。私は、歌うことが大嫌いだったので（人前で話す事すら嫌いだった）寝たふりをしていました。すると隣にいた祖父は、「歌を歌いたくないもんだからたぬき寝入りしている。」と大きな声で暴露しました。バスの中は大爆笑。私は、みんなの前で大恥をかきました。祖父を恨みました。祖父はすましたものです。
小学校に入学したばかりの頃、私の描いた絵が、何かの展覧会で入選したとかで、全校生徒の前で賞状をもらうことになりました。人前に出るのが嫌で仮病をつかい休もうと前日から考えました。当日、「具合が悪いからおきる事が出来ない。学校は、行けない。」と言う私に、祖父は大きなひしゃく一杯の水を瓶からすくい私の頭にかけました。（当時私の家は、井戸水で生活していました）母から着替えをさせられ泣きながら学校に行きました。
書家・相田みつをさんが、「その人」という詩を書いています。
その人
その人の前に出ると
絶対に嘘が言えない
そういう人を持つといい
その人の前を見ていると
絶対にごまかしが言えない
そういう人を持つといい
その人の顔を見ていると
心にもないお世辞や
世間的なお愛想が言えなくなる
そういう人を持つといい
その人の眼には
どんな巧妙なカラクリも通じない
その人の眼に通じるものは
ただ本当のことだけ
そういう人を持つがいい
その人といるだけで
身も心も洗われる
そういう人を持つがいい
人間にはあまりにも
嘘やごまかしが多いから
一生に一人は
ごまかしのきかぬ人を持つがいい
一生に一人でいい
そういう人を持つといい
私には、そういう人が数人います。大学のゼミの先生、私の仕事のお師匠様、亡くなった方では、文化庁長官をなさった河合隼雄様等々。恵まれたご縁でした。そういう中で一番身近な「その人」が祖父でした。４月８日は、祖父の命日です。私が小学校６年生に進級した年に亡くなりました。６６歳でした。
「その人」の前に出ると絶対に嘘がつけない、そんな人がいる人は、「誠に道に違うことなく」生きていけると思います。
平成２７年度が始まりました。良きご縁がありますようお祈りいたします。
