カウンセリングの周辺〔9〕 カウンターパンチ
ADHDの子ども達は、どんなに叱られてもケロッとしていることが多いです。理由は、目の前のことに集中すると、直近の事を忘れてしまうという、ワーキングメモリーの容量に関係があるからです。
しかし、何回も同じことで叱られると、徐々にダメージが蓄積していきます。いつも同じことを言われる自分はバカだ、という思いが、コップからあふれる水のように、こぼれ出たとき、二次障害が爆発するのです。エネルギーがあり余るので暴力的なエネルギーに変わると手に負えなくなります。
ASD(自閉症スペクトラム)の子どもたちは、ダメージに弱いため一回の出来事で、トラウマになってしまいやすいです。
ダメージは目から入って、記憶に定着します。お父さんのおこる顔、両親のケンカの様子等、たった一回の強烈な映像が何度もフラッシュバックします。それがどんどん自尊感情を破棄していきます。
たった一回の失敗体験からダメージを受け、二度と失敗経験を受けないように、同じことには手を出さなくなってしまいます。ASDの子どもたちは、プライドが高いため、自尊感情を下げる挑戦は、避けたがるのです。
最後に、一番大きいカウンターパンチは、いじめです。そして、この子たちはいじめを受けやすいのです。いじめを受けたことをきっかけに、引きこもりに陥ったりします。
健常児でも不愉快な、けなしたり、嘲笑したりされることには、耐えられません。ましてや、ASDの子達には致命傷です。一発のダメージが、カウンターパンチになり、PTSD・心的外傷後ストレスにまで発展してしまうことさえあります。こうした強烈なダメージから守っていかなければなりません。学習活動を小さなステップにして「できたら→ほめる」この繰り返しで、成功体験コースに乗せることが重要です。
どんなにかなしくても、
どんなにくるしくても、
長い坂道を登るのは、あなた一人じゃない。
同行二人。
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