カウンセリングの周辺〔14〕 うつ病はハイリスク・ノーリターン・ハイダメージ
うつ病は、放っておいても自然治癒がおこる事はありません。それなのに「うつは心の風邪」と言われて、誤解を与える事が大きいです。うつは、誰でもなりうるという意味では、ある一面正しいとは言えますが…。
うつによって脳の神経細胞がダメージを受けていて、心の病気から脳の病気へと進化し、ご飯を作ったり掃除をしたりという、日常生活を維持する当たり前の仕事も出来なくなったり、障害が残ったり、最悪の場合は自殺にまで至る危険な病気です。
また、うつを患った人は、アルツハイマーの発症の要因にもなると言われています。
放置する時間が長い程、後遺症が残りやすいのです。その結果として、失職してしまう事にもなりかねません。そうなった時、そこまで放置しておいた家族に、大きな負担がかかってきます。精神的にも。肉体的にも。経済的にも。
2012年に作成された「日本うつ病学会治療ガイドライン」によると、軽症うつの時は、抗うつ剤を処方する前に「小精神療法」をする事になっています。「小精神療法」とは、カウンセリングでの対応という事です。
2000年代、抗うつ剤による副作用が問題になってきました。抗うつ剤が、自殺関連行動や衝動的他害行動を起こす事が発表されました。また、抗うつ薬剤使用患者が凶悪事件を引き起こした事もあり、安易な薬剤を使用する事に、歯止めをかけようとする動きが出ています。
それでは、重症のうつに対して軽度のうつとは?
次の九項目の症状のうち、「抑うつ気分」もしくは「興味、喜びの著しい減退」の少なくとも一つを含む、五つ以上の気分が二週間以上の間ほとんど毎日有し、加えて就労や就学状況、家事などにおける昨日障害等が、軽度の患者と定義されています。
- ほとんど一日中、ほとんど毎日、抑うつ気分
- ほとんど一日中、ほとんど毎日、ほとんどの活動に対する興味、喜びの著しい減退
- 食事療法をしていないのに著しい体重減少、あるいは体重増加、食欲の減退または増加
- ほとんど毎日の睡眠不足または睡眠過剰
- ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止
- ほとんど毎日の疲労感または気力の減退
- ほとんど毎日の無価値観または過剰であるか不適切な罪悪感
- 思考力や集中力の減退または決断困難がほとんど毎日認められる
- 死についての反復思考、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図
私はこれに加えて
- 慢性的眠剤服用とアルコール摂取
- お腹の底から笑う事がない
- 周囲の人間に対する不満、被害者意識
あなたには当てはまらない事を祈ります。
どんなにかなしくても、
どんなにくるしくても、
長い坂道を登るのは、あなた一人じゃない。
同行二人。
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