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HELLO!カウンセリング〔23〕障がいをもつお子さん周辺の寛容度

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私は、人間年を取れば、皆が賢くなる、とは思っていません。残念ながら、年々偏狭になっていく方もいらっしゃるようです。在職中、勉強の目的、生きる目的を知ってほしいと思い、名詩を暗唱させておりました。さらに、保護者会の時も余計なお世話と思いながら配布しておりました。大人になった時、仕事を通して、家庭の中でどれだけ優しくなれるか、寛容になれるか、それが広がっていく事だという思いを込めて。

特別支援学級の子供達は、いつも特別な教室の中にいる訳ではありません。普通学級と交流する時があります。こういう学級を、親学級と呼んでいます。保護者会の時は、合同でやっている場合が多いです。

保護者会で、あるお母さんが「私達の子供は、C君(特別支援学級)がいるお陰でたくさんの事を勉強させてもらっています。感謝しています。」と仰いました。また、あるお母さんは「登下校の時、C君がいるので凄く気を使って大変だと、うちの子が言っています。」と仰るお母さんもいらっしゃいました。また、「C君だけ贔屓されてズルいと言っています。」というお母さんもいらっしゃいます。

 

「わたしはひろがる」という詩を一連ずつ読んで、自分は今どのレベルだろうと考えてみるのも良いかと思います。そして、家の子はどうでしょう。ぜひ一読してみてください。

 

わたしはひろがる   岸武雄

わたしは小さいとき、
おやつのお菓子が弟より大きくないとおこった。
じだんだふんで泣いたこともある。
わたしが世界のすべてであった。
わたしが世界のすべてであった。

やがてわたしは、弟もわたしと同じように、
大きいお菓子をほしがっていることが、わかってきた。
わたしはけんかしながらも、
同じように分けることをおぼえた。

ときには、弟があまりうまそうに食べるので、
自分のぶんも分けてやった。
弟といっしょにお菓子を食べると、
お菓子の分量はへったが、なんとなく楽しい。
こうして、わたしの中へ弟がはいってきた。
こうして、わたしの中へ弟がはいってきた。

おかあさんがどんなに忙しそうに働いていても、
わたしは、平気だった。
おかあさんは、ああいうものだと考えていた。
やがてわたしは、「おかあちゃん わたしも手伝おうか」
と、いえるようになった。
おかあさんと仕事をすると、
なんとなく楽しい。
こうして、わたしの中へおかあさんがはいってきた。
こうして、わたしの中へおかあさんがはいってきた。

わたしは勉強するとき、
テストのことがいつも気になった。
どんなに仲のよい遊び友だちも、
テストになると、かたきのように思えた。
あの子、まちがえてくれないかなあ、と、
ひそかに心の中で思ったこともある。
テストが、わたしの勉強のすべてであった。
テストが、わたしの勉強のすべてであった。

やがてわたしは、小さいグループで、
教え合ったり助け合ったりして勉強することをおぼえた。
こうした勉強をつづけていると、
わかっているつもりの問題も、友だちから質問されると、
何と答えてよいのかわからぬことが、たくさん出てきた。
今までできないと思っていた友だちが、
だんだんえらく思えてきた。
こうして、わたしの中へ、友だちがはいってきた。
遊び友だちばかりでなく、勉強の友だちがはいってきた。

養護の子がへんなことをいうと、
わたしはよく声をあげてわらった。
わたしとは生まれのちがう、
あわれな子だと考えていた。

でも遊んでやらねば、と思って
がまんしてつき合っていた。
しかし、このごろ養護の子はわたしを見ると、
「おはよう」といって明るくとびこんでくる。
すると、わたしの心は蕾のようにふくらんでくる。
とてもあんなすなおな子には、かなわない。
こうして、わたしの中へ養護の子がはいってきた。
こうして、わたしの中へ養護の子がはいってきた。

わたしは理科の勉強をしながら
大きくなったらすばらしい発明や発見をして、
お金や名誉で身をかざろうと考えていた。
しかし、先生に科学の歴史のお話を聞いてから、
わたしの考えは、だいぶん変わってきた。
つまり、どんなにすばらしい発明や発見をしても、
なかまのしあわせにならねば、 
なんにもならないと、考えるようになった。
かのノーベル博士が、
自分の発明したダイナマイトが、戦争のために使われるのを悲しんで、
人類の平和と文化のために尽くした人々におくる、
ノーベル賞をつくった気持ちが、
少しわかったような気がする。
こうして、わたしの中へ、ほんとうの勉強のめあてがはいってきた。
こうして、わたしの中へ、ほんとうの勉強のめあてがはいってきた。

わたしは社会科を勉強しながら、
数字やグラフを一生けんめい暗記した。
日本が生産力で世界第何位と聞くと、
ただそれだけで、むねを張って喜んでいた。
やがてこうした数字やグラフの背後には、
ひたいに汗して働く人々のいることを考えるようになった。
こういう人々がすべてしあわせにならねば、
日本の国はいばれないと思うようになった。
こうして、わたしの中へ愛国心がはいってきた。
こうして、わたしの中へ愛国心がはいってきた。

わたしはベトナムの悲しい写真を見ても、
アフリカのあわれな黒人の話を聞いても、
遠い国のできごとのように思って、平気だった。

でも、このごろは、
ベトナム人も黒人も、わたしたちのなかまのように考える。
ベトナムの写真をみたり、黒人の話を聞くと、
心がうずき、むねがいたむ。
こうして、わたしの中へ、ベトナム人や黒人がはいってきた。
こうして、わたしの中へ、ベトナム人や黒人がはいってきた。

ああ、わたしはたったひとりなのに、
むねの中のわたしは、
弟もおかあさんも養護の子も、ベトナム人まで包んで
ひろがる、ひろがる……。

 

 

 

どんなにかなしくても、

どんなにくるしくても、

長い坂道を登るのは、あなた一人じゃない。

同行二人。

 

 

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